モバイルオーダーシステム「CX ORDER」の開発事例

このページについて

このページは、LINE API Use Caseサイト(2026年3月31日に閉鎖)に掲載していた記事を、LINE Developersサイトへ移管したものです。LINEプラットフォームを導入した企業の事例を紹介しています。なお、記事の内容は掲載時点のものです。

クラスメソッド株式会社

クラスメソッドは「すべての人々の創造活動に貢献し続ける」という理念のもと、クラウド、データ分析、モバイル、IoT、AI/機械学習などの技術支援を行っています。LINE活用支援にも注力し、LINEミニアプリ開発やモバイルオーダー用LINEミニアプリ作成サービス「CX ORDER」などを提供しています。



サービス提供者様の今回のシステム開発への想い

クラスメソッド株式会社はIT企業ですが、秋葉原で完全キャッシュレスのカフェ店舗「DevelopersIO CAFE」を運営しております。※

さまざまなオンラインの販売チャネル(LINE, Web, ネイティブアプリ)を開発・運用した経験をもとに、モバイルオーダー機能をLINEミニアプリとして提供するクラウドサービス「CX ORDER」としてリリースしました。

直近は(主に飲食店の)時短営業や休業による売り上げ減少のためテイクアウトチャネルの拡充による売り上げカバーを目的とし、中長期的には業務効率化・省人化、LINEを通じたユーザーとの継続的なコミュニケーション支援を目指しています。

モバイルオーダーは注目こそされていますがまだまだ新規性が高いサービスのため、ユーザーの利用ハードルをとにかく下げることが必要です。その点においてもLINEを活用していることでフリクションレスのCXを創出できると考えています。

※「DevelopersIO CAFE」は2022年12月20日に閉店しました。

スクリーンショット

商品一覧商品詳細注文確認注文完了

LINEとの連携

専用アプリ不要・会員登録不要を実現できるLINEを採用

CX ORDERでは、「5秒で会員登録、20秒で注文完了」というキャッチフレーズがあります。この状態を実現するためにLINEミニアプリ・LIFF(LINE Front-end Framework)アプリを採用しました。特に2つの観点が中でも重要でした。

  1. 専用アプリのダウンロードが不要なこと(ユーザーが日常的に利用しているLINE上でサービス提供できる)
  2. 会員登録が不要なこと(LINEのIDを活用するのでユーザーは認証画面をタップするだけで利用できる)。また購入や商品の受け取り準備完了などでユーザーへ通知をしたいシーンがあります。

プッシュ通知やSMSなど手段は各チャネルありますがコストや通知に気づかないなど課題があります。LINEミニアプリであれば無料のサービスメッセージ・LIFFアプリであればMessaging APIなどでLINE内に閉じて通知が可能です。さらにはLINE公式アカウントの友だち追加機能を利用しユーザー獲得、プロモーションメッセージ送信なども行えるためユーザーへのリテンション施作も実施しやすい点があります。

取引のなかった企業からの問い合わせ増加やクロスセルの発生

サービス開発の視点では、さまざまな業務知識を認識できたことだと思います。自社でも店舗運営していますが導入いただいている企業様からのフィードバックをみるとやはり違いがあります。

さまざまなフローを理解し、汎化し、どう追加していくかをチームで考えて実装していく、当たり前なのですが改善のサイクルをしっかりと回していく重要さを痛感しました。またビジネス視点では今までお取引のなかった企業からのお問合せの増加、モバイルオーダー導入を皮切りに他事業へのクロスセルなども発生しました。

注文に必要な最低限のデータを利用、将来的にはセルフサーブも

CX ORDERには注文情報が保存されています。売上や履歴など一部機能では提供されています。注文情報をもとにカスタマーサクセスチームにてダッシュボードを作成していますが、将来的にはセルフサーブで利用できるようにしたいと考えています。注文への対応のために一部個人情報を取得していますが、それ以外の注文に不必要な個人情報は極力取得しないようにしています。


システムの解説

AWSをメインにGoogle Cloudの活用もスタート

クラスメソッド株式会社が最も得意としているAWSをメインに利用しています。ユーザーはAmazon CloudFrontを経由し各アプリ、APIヘアクセスします。コア機能はAmazon ECS / Amazon Auroraを用いトラフィックの増加に伴うオートスケーリングを設定しています。

他にもアクセス頻度が高いデータはAmazon DynamoDBを活用したり、AWS LambdaやAmazon SQSを利用したりしています。完全AWSというわけではなく、一部機能においてはGoogle Cloudの活用もスタートしています。

クラウドインフラのランニングコスト

コア機能はAmazon ECS/ Amazon Auroraにて提供しているためサーバーレス環境と比べてコストは発生しています。機能の実装コストや中長期的な運用コストを鑑みると現構成が妥当と考えていますが、状況に応じてサーバーレス環境への機能単位での移行や構成変更を模索していきたいと考えています。

インフラを支える運用ツールは何を使用しているのか?

インフラ構成管理にAWS CDK(TypeScript)を利用しています。CX ORDERはアプリ、APIもTypeScriptで書いているため、インフラレイヤーから一気通貫でエンジニアが対応できるようにしています。またSentryを導入しアプリエラーを監視し、Slackへ通知しています。短期間に同じテナントにて複数回のイベントが発生する場合は、カスタマーサクセスチームと連携してお客様の状況ヒアリング・エラー解消に役立てています。Google Analyticsではユーザー行動をトラッキングし、アプリの改善活動・メッセージ配信用セグメントの作成などに利用しています。

導入店舗の売り上げ向上・業務改善・省人化を目指す

導入店舗の売り上げ向上・業務改善・省人化がトッププライオリティです。より多くの導入企業からのフィードバックをもとに機能開発・改善を繰り返していきます。またLINEを活用したコミュニケーション領域においても、クラスメソッド株式会社での実験をもとに機能追加・カスタマーサクセスで寄与できないかと考えています。

LINE APIに対する要望

LINE APIは導入が簡単かつ機能もコアに絞られていてシンプルです。APIについてはシンプルさをそのままにできること、安定稼働を続けることが、将来的にLINEに各種サービスを統合していく上で必要不可欠だと思います。また顧客理解の観点ではLINE側で持っている属性情報・サービス側で持っている情報の組み合わせでより詳細な施策実施ができると思います。

これからサービスを開発される方に一言

LINEのAPI/SDKを活用することで開発工数を下げることができます。またLINEをID基盤として利用することでユーザーの利用ハードルの軽減に寄与できます。サービス利用後はLINE公式アカウントによるコミュニケーションを通じてユーザーを自社のロイヤルカスタマー化できるという観点でも非常に有用です。さまざまなチャネルがあり、特性も当然異なりますがLINEを軸にサービス開発することの恩恵は大きいと思います。


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