富山県朝日町の移動&健康活性化デジタル町おこし施策「ポHUNT」の開発事例

このページについて

このページは、LINE API Use Caseサイト(2026年3月31日に閉鎖)に掲載していた記事を、LINE Developersサイトへ移管したものです。LINEプラットフォームを導入した企業の事例を紹介しています。なお、記事の内容は掲載時点のものです。

株式会社博報堂

博報堂は1895年に創業し、「生活者発想」と「パートナー主義」という変わることのないフィロソフィーのもとで、日々革新を続けています。高いクリエイティビティを持つプロフェッショナルがチームを編成し、広告領域のみならず、経営・事業から社会イシューまで、あらゆる領域においてクライアントの皆様の課題解決をお手伝いしています。近年は、地方創生・DX推進業務にも注力し社会課題解決プロジェクトを立ち上げました。



サービス提供者様の今回のシステム開発への想い

地方自治体の多くでは、高齢化・過疎化による交通事業者の撤退が問題となっています。町民の移動手段が減ることで外出量は減少し、町の経済活動の衰退・コミュニケーション機会の減少・高齢者の健康悪化等様々な問題に繋がります。これに対し、移動促進のため富山県朝日町で開発したのが、町おこし施策「ポHUNT」です。LINEミニアプリ上で、商業施設に設置されたQRコードの読み込みや健康情報にふれることでポイントを獲得できます。このポイントを使って景品応募や地域ごとの対抗戦を行うことで、移動と健康活動をゲーミフィケーションする仕組みになっています。2020年にサービス開発したマイカー乗り合い公共交通「ノッカルあさひまち」とも連携することで、移動手段の提供と移動需要の創出を同時に行い、町の活性化を目指しました。

スクリーンショット


LINEとの連携

幅広い年代に日常的に使われているLINEを採用

今回の取り組みにあたり、高齢者を含む町民全体に使われるデジタルサービス設計が重要であったためです。スマホを使いこなせていない高齢者でもLINEは使っている割合が高く、操作習得や心理的なハードルを下げることができます。提供機能の多さからLINEミニアプリ部分をネイティブアプリにする案もでましたが、町民と対話しながら全世代にやさしいUI/UXを突き詰めた結果、全てLINE上で実装することにしました。結果80代含む多くのユーザーが参加した施策となりました。また、登録してもらうだけでなく継続的に使ってもらうことを重視したため、日常的に使うコミュニケーションツール上で、定期的な情報配信が可能な点も理由の一つです。

町内・観光客向けの施策でも話題に。「健康意識向上や移動のきっかけになった」

メディアに取り上げられ、朝日町での取り組みを全国に知ってもらうきっかけとなりました。他自治体からの問い合わせも数件きています。また、町内でもかなり話題になりました。人口1万人の町において1ヶ月で1000人もの町民が参加し、アンケートでも健康意識向上や移動のきっかけとなったという結果になったことから、行政からの評価も高いです。また、ポHUNTをベースに観光客向けに施策実施した際には、2000人強が参加し観光視点でも有効でした。これを受けて、朝日町との連携を強化しさらに広い領域でのDX推進も決定しています。町民・事業者・自治体を繋ぐ町づくり基盤としてLINEを中心に様々な施策を実施予定です。

町民の移動や健康活動状況の実態把握に活用

町民の移動実態や公共交通利用実態、健康活動状況の把握に活用しました。これをもとに自治体施策や公共交通の改善を目指しています。また今後自治体のLINE公式アカウントと連動させることで、ポHUNTの利用データをもとにした情報配信セグメントの設定も行う予定です。適切な情報を適切な町民に1to1で届けることで、町のアセットや施策をより有効なものにしていきます。


システムの解説

機能と保守の充実性からAWSを利用

ポHUNTの実装に関しては、エボラニ株式会社のサービスであるanybotを採用しました。サービスインフラは主に以下2点の理由からAWS(Amazon Web Services)EC2を中心に利用しています。

機能の充実性

  • サービスにコア機能(データベース、メールやSMSなどの通知機能、ストレージ)を追加する際、スムーズに連携を行えるため

インフラ保守の利便性

  • クラウドを利用することで、保守の面でも容易に自動化することができ、管理しやすい

クラウドインフラのランニングコスト

従来のオンプレミスでのインフラ管理の場合、設備費や設置場所等、様々な管理コストが発生しますが、クラウドインフラ(AWS)では、クラウド管理かつ使用した分だけコストが発生する従量課金制になるため、インフラのランニングコストが大幅に削減できます。また、サービス規模やサービスのスケールに合わせて、容易にインフラの増強等、瞬時に対応できるため、ランニングコストもある程度、コントロールすることが可能です。

インフラを支える運用ツールは何を使用しているのか?

CloudWatch(モニタリング) / Zabbix(モニタリング)

自治体のLINE公式アカウントと連動させ、町全体の活性化を目指す

町づくりのための町民向け調査の配信もポHUNT上で行った結果、多くの回答が集まり町づくり基盤としての効果も検証できたため、ポHUNTのポイント機能を起点とした自治体DX推進を行う予定です。自治体のLINE公式アカウントと連動させ定常的な施策として展開し、商業・健康領域だけでなく幅広い領域に活用することで、町全体の活性化を目指します。また、今回の事例での知見をもとに他自治体や企業マーケティング施策への応用も検討しています。

これからサービスを開発される方に一言

OSやバージョンごとの開発が不要で、初期開発・運用負荷が低い点はメリットだと感じました。また、博報堂はシステム開発ではなくサービス開発が主となる役割のため、どうしたら使ってもらえるサービスになるか、限りある予算のなかでどうサービス維持していくかを重視して設計をしています。そういった視点を重視する企業・団体にとって、幅広い年齢に使われている点やアカウント自体の運用費が無償である点は魅力的だと思います。


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