行政DXを支えるLINE活用スマート公共ラボの技術事例
このページは、LINE API Use Caseサイト(2026年3月31日に閉鎖)に掲載していた記事を、LINE Developersサイトへ移管したものです。LINEプラットフォームを導入した企業の事例を紹介しています。なお、記事の内容は掲載時点のものです。

プレイネクストラボ株式会社
2016年創業。“技術と多様性で未来をつくる“をビジョンとし、スマホゲーム・HR TECHサービス・チャットボットシステム開発などの多彩なサービスを手がけてきた他、近年では行政と市民を繋ぐGovTech(ガブテック)のサービス提供にも注力しています。17カ国からメンバーが集まるグローバルなエンジニアチームの開発力を武器に、自社サービスの成長を追求し、社会とクライアントを最新技術で支える「デジタルトランスフォーメーション創出カンパニー」を目指します。
サービス概要と解決したい課題
スマート公共ラボは、自治体職員の業務効率化と住民の満足度向上をサポートするサービスです。行政サービスの次世代DXをLINEアカウントで手軽に実現する“スマート公共ラボ with LINE SMART CITY GovTechプログラム”と電子申請を柱に、「役所に行かない・窓口で待たない・文字を書かない」を叶える自治体のデジタル総合窓口として、全国約100の自治体公式アカウントで活用されています。スマート公共ラボGovTechプログラムを導入することで、帳票作成、細かく条件設定したセグメント配信、複雑なシナリオ配信(チャットボット)、施設やイベントの予約に役立つカレンダー予約、緊急時に特化した災害モード、位置情報から案内できるスポット検索、決済の機能を使うことが可能になります。LINE公式アカウントの標準機能だけでは補えない、充実したサービスが特長です。
スマート公共ラボの電子申請は、マイナンバーカードを用いて本人確認が必要な申請と、交付料や手数料の支払いに便利なオンライン決済が可能です。総合行政ネットワーク「LGWAN」のアクセスにも対応しており、既存の業務用パソコンから利用できるため、導入の負担が少ないのも魅力です。スマート公共ラボの「観光ガイド」サービスでは、スポット検索をカスタマイズして、観光サイトのコンテンツを活用しながら、観光専用のLINE公式アカウントを通して市外住民に役立つ情報を提供できる観光ガイドサービスを構築できます。LINEのトーク上からチャットボットが誘導し、利用シーンに応じた各種スポットの案内が可能です。現在地や選択されたエリアをもとに案内したり、歴史、グルメ、宿泊施設など任意のカテゴリから対象の施設を表示させたりすることができます。Googleマップと連携しているため、検索したスポットへの行き方や詳細情報をすぐに確認できるのも魅力です。
スクリーンショット

LINEとの連携
Messaging APIとGPSを駆使した行政サービスの効率化
現代社会におけるデジタル化は行政サービスにも及び、市民の利便性を高める行政DXを構築するにあたり、幅広い世代が使いやすいプラットフォーム選定が重要だと考えました。プラットフォーム選定の中で目を向けたのがLINEです。9,600万のMAU(2023年9月末時点)を誇るLINEは、国内において多くのユーザーに日常生活に密接に利用されており、利用者にとって馴染み深い環境で行政サービスを提供できると思いました。開発では、Messaging APIを活用したチャットボットの開発に着手。GPSを活用した位置情報サービスは、災害情報や避難所情報、さらには観光情報の提供において、行政サービスとの親和性を大いに発揮しています。また、決済機能との連携により申請業務のデジタル化を推進し、より迅速で簡便な申請プロセスの実現に寄与しています。実際にサービス展開をして、LINEというプラットフォームが持つアップデートのしやすさや、機能の追加開発のしやすさを実感しています。
LINEを活用した行政DXの進展:100を超える導入と市民満足度の向上
現在、サービス導入数は100を超え、LINEを活用した行政DXの認知度が向上してきていると思います。これまで、窓口業務や申請業務でかかっていた人手の負担減や、スマホから手続きが行える利便性に住民からの満足度も高い評価をいただいていると感じています。弊社は、開発・デザインチームもいるため、オリジナルリッチメニュー制作や観光ガイド向けコンテンツにカスタマイズ開発をしたり、それ以外にも医療機関向けへのカスタマイズ開発ができることが強みだと思います。
スマート公共ラボ GovTechプログラムを導入いただいている自治体様からコメント
- 手軽に、イベントや観光キャンペーンの開催に合わせたタイミングで情報を発信することができています。
- オンライン予約以外にも様々な機能が用意されているので、各自治体の活用事例を参考に市民満足度が高まる施策を検討し、実装していきたいと考えている。
- ごみの出し方については問い合わせも多く、市民の皆さんにとって使い慣れたLINEで24時間いつでも気軽に、簡単に質問できるため、とても便利だと思います。
- 導入するにあたり、よくわからないことも多かったですが、実際に導入することでワクチン接種の予約業務をLINEで賄うことができ、電話応対の時間の削減や受付業務での名簿管理やシステム管理などたくさんの恩恵を受けています。
- 各種保健事業の予約受付は、業務負担の軽減と事務の効率化において想像以上の効果を発揮しています。全庁的な情報発信ツールとして有効な活用が期待できることから、庁内において検討を重ね、デジタル化による住民サービスの充実を図っていきたいと考えています。
システムの解説

取得したデータで行政サービスを改善
行政DXのシステムのため、住民に実施しているアンケートを紙からLINEに変更し、データ化の業務効率に繋げたり、住民の生年月日を元にがん検診の通知を送り、LINEでがん検診の予約をすることができます※。住民にLINEで受信したい情報を登録してもらうことでセグメント別に情報を発信することができ、行政情報の伝達媒体として幅広い年齢層の方に利用いただいております。
※LINEアカウントと紐づいた⾏動データの取得・活⽤にはユーザーの許諾を得た上で取得しております。
AWSを選択したシステム構築の背景
当社が行政DXのシステム構築にAmazon Web Services(以下、AWS)を採用しました。まず、行政サービスは市民の生活に直結するため、システムは常に安定して稼働し、瞬時にアクセスが増えた際でも対応できるスケーラビリティが求められており、これらの要件に対して高いパフォーマンスを提供しています。加えて、セキュリティは行政データを扱う上で最も重視すべき要素です。AWSは、堅牢なセキュリティ対策と豊富なコンプライアンス認証を有しており、機密情報を安全に管理するための信頼性を提供しています。また、運用保守の容易さも選定理由の1つです。AWSは、管理やメンテナンスを効率化する豊富なツールとサービスを提供しており、私たちの運用負担を軽減し、より迅速なサービス改善を可能にします。当社はAWSの使用経験が長く、そのプラットフォームを最大限活用するノウハウを蓄積してきました。これらの理由から、AWSを採用させていただきました。インフラのランニングコストは、AWS Billing and Cost Managementにて定期確認し、各利用者の利用頻度などの傾向分析を実施しています。開発におけるソースコード管理は管理のしやすさからGitHubを利用しています。
今後の展望
スマート公共ラボは行政DXとして、住民や職員の課題解決につながる様々な機能を拡張して自治体のデジタル総合窓口の対応幅を広げていきたいと考えています。2023年1月にはLINE公式アカウント上でマイナンバーカードの認証ができる電子申請をスタートし、福岡県大川市様では出産子育て応援給付金の申請でLINE公式アカウント上から全体の96%(プレイネクストラボ株式会社調べ)の受付け実績があり住民の操作性が非常に高いシステムを提供しました。高機能になると操作が難しくなる傾向がありますが、自治体向けのシステムのため住民と職員が直感的でシンプルな操作を維持できるようにUI/UXに拘って提供してまいります。
LINE API開発における要望
ユーザーの位置情報の取得、既読ステータスの取得ができるAPIがあると、よりLINE上でのサービスの幅が広がると思いました。
これから開発される方に一言
LINEの圧倒的に多い利用者数と高いアクティブ率で世代を問わずリーチできる点が最大のメリットだと思います。スマート公共ラボの予約機能はLINE認証を利用することでユーザー登録が不要であり、窓口相談予約の54%(プレイネクストラボ株式会社調べ)はLINE経由という実績もございます。このように、LINE APIを活用することで利用者のリーチ拡大と導線のドロップ軽減の効果が得られており、マーケティングコストとグロースハックコストの削減に貢献するシステムを開発することができました。