チャネル作成前に確認したいプロバイダー設計の基本

2026/06/25

LINE Developersコンソールでチャネルを作成するときは、事前に作成先のプロバイダーを確認してください。

特に法人でLINEプラットフォームを利用する場合、他部署でプロバイダーが作成済みであることに気づかず、別のプロバイダーを作成してしまうことがあります。

一度作成したチャネルは、あとから他のプロバイダーに移動できません。 LINEログイン、Messaging API、LINEミニアプリなど複数のチャネルを組み合わせて使うサービスでは、プロバイダーの設計が、ユーザーIDの扱いや友だち追加オプションの利用に影響します。

この記事では、チャネルを作成する前に確認しておきたい、プロバイダー設計の基本を紹介します。

プロバイダーとは

LINE Developersサイトでは、サービスを提供し、ユーザーの情報を取得する主体をサービス提供者と呼びます。LINEミニアプリの文脈では、サービス事業主とも呼ばれます。LINE Developersコンソールでは、このサービス提供者をプロバイダーとして登録します。

一方、チャネルは、LINEプラットフォームが提供する機能をサービスで利用するための通信路です。たとえば、LINEログインを利用する場合はLINEログインチャネル、Messaging APIを利用する場合はMessaging APIチャネルを作成します。

つまり、プロバイダーは「誰がサービスを提供するか」を表し、チャネルは「そのサービスでどのLINEプラットフォームの機能を使うか」を表すもの、と考えると分かりやすいでしょう。

また、プロバイダーは、サービス提供者ごとに作成します。

たとえば、LINEプラットフォームを利用したサービス開発を他社に委託する場合は、通常、開発会社のプロバイダーではなく、サービス提供の主体となる委託元のプロバイダーを作成し、その配下にチャネルを作成します。

委託先のプロバイダー配下にチャネルを作成してしまうと、将来的に運用体制が変わった場合や、別のチャネルと連携したくなった場合に問題が発生する可能性があります。 チャネルはあとから他のプロバイダーに移動できないため、作成時点で「このサービスの提供主体は誰か」を確認しておくことが重要です。

連携したいチャネルは同じプロバイダー配下に作成しましょう

複数のチャネルを連携するサービスを開発する場合は、連携したいチャネルを同じプロバイダーの配下に作成します。

チャネルを同じプロバイダー配下に作成する必要があるのは、ユーザーIDの扱いがプロバイダー単位で決まるためです。 ユーザーIDは、同じユーザーであってもプロバイダーごとに異なる値が発行されます。一方、同じプロバイダー配下であれば、チャネルの種類にかかわらず、同じユーザーには同じユーザーIDが割り当てられます。

たとえば、同じプロバイダーの配下にLINEログインチャネルとMessaging APIチャネルがある場合、それぞれのチャネルで取得した同じユーザーのユーザーIDは同一の値になります。反対に、異なるプロバイダー配下のチャネルで取得したユーザーIDは、同じユーザーであっても異なる値になります。

そのため、LINEログインとMessaging APIを組み合わせるサービスや、LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連携するサービスでは、チャネルを作成する前に、どのプロバイダー配下にまとめるべきかを確認しましょう。

なお、同じプロバイダー配下のチャネルでは、同じユーザーに同じユーザーIDが割り当てられますが、これは複数のサービスで取得したLINEユーザー情報を自由に紐づけて利用できる、という意味ではありません。

LINEユーザーデータポリシーでは、プロバイダーが複数のサービスで取得したLINEユーザー情報を紐づけし、共通で利用することは原則禁止されています。ただし、プロバイダーページを公開したうえで、所定の利用条件を満たす場合には、LINEユーザー情報の共通利用が許可されます。

また、LINEユーザー情報の利用にあたっては、プロバイダーがLINEユーザー情報の取得者であることを認識し、プロバイダーの責任のもと、各種関連法規則に則り、ユーザーにとって不利益のないように利用する必要があります。

ユーザーIDが同じ値であることと、LINEユーザー情報を共通利用できることは別の話です。サービス間でLINEユーザー情報を利用する場合は、技術的な実装だけでなく、ポリシーやユーザーへの説明も含めて確認しましょう。

友だち追加オプションを使う場合もプロバイダーに注意しましょう

LINEログインやLINEミニアプリでは、ユーザーにLINE公式アカウントの友だち追加を促すための友だち追加オプションを利用できます。

LINEログインで友だち追加オプションを利用する場合、LINE公式アカウントに関連付けられたMessaging APIチャネルと、LINEログインチャネルが同じプロバイダーに属している必要があります。

LINEログインのチャネルにLINE公式アカウントをリンクするための要件

LINEログインのチャネルにLINE公式アカウントをリンクするには、以下の要件を満たす必要があります。

  • LINE公式アカウントに関連付けられたMessaging APIのチャネルが、LINEログインのチャネルと同じプロバイダーに属していること。
  • 操作するアカウントが、LINEログインのチャネルのAdmin権限と、LINE公式アカウントの管理者権限を持っていること。
    • LINEログインのチャネルのAdmin権限は、LINE Developersコンソールで確認できます。
    • LINE公式アカウントの管理者権限は、LINE Official Account Managerで確認できます。

LINEミニアプリで友だち追加オプションを利用する場合も同様に、LINE公式アカウントに紐づいているMessaging APIチャネルと、LINEミニアプリチャネルが同じプロバイダーに属している必要があります。

「あとからLINE公式アカウントを連携すればよい」と考えていても、チャネルが別々のプロバイダー配下に作成されていると、要件を満たさない場合があります。友だち追加オプションの利用予定がある場合は、チャネル作成前にプロバイダーの構成を確認しておきましょう。

チャネル作成前のチェックポイント

チャネルを作成する前に、次の点を確認しておくと安心です。

  • サービス提供者ごとにプロバイダーを作成しているか
  • 委託開発の場合、委託元のプロバイダー配下にチャネルを作成しているか
  • 連携したいLINEログインチャネル、Messaging APIチャネル、LINEミニアプリチャネルが同じプロバイダー配下にあるか
  • 友だち追加オプションでリンクしたいLINE公式アカウントのMessaging APIチャネルが、LINEログインチャネルまたはLINEミニアプリチャネルと同じプロバイダー配下にあるか
  • 複数サービスでLINEユーザー情報を共通利用する場合、プロバイダーページの公開や利用条件を満たしているか

おわりに

プロバイダーは、単なるチャネルの入れ物ではありません。サービス提供者、ユーザーID、LINEユーザー情報の扱い、LINE公式アカウントとの連携などに関わる重要な設計単位です。

新しくチャネルを作成する際は、「プロバイダーとチャネル管理のベストプラクティス」を参照して、現在の実装だけでなく、将来的なチャネル連携や運用体制も含めて、適切な構成を計画できているかを確認しましょう。