# ユーザーを管理する

このトピックでは、以下のユーザー管理タスクの実行方法について説明します。

安全にログインを処理する

安全にユーザー登録およびログインを処理する方法については、「アプリとサーバーの間で安全なログインプロセスを構築する」を参照してください。

# ユーザープロフィールを取得する

.profileスコープを指定してログインリクエストを送信すると、ユーザーのLINEプロフィールを取得できます。ユーザープロフィールには、ユーザーID、表示名、プロフィールメディア(画像または動画)、およびステータスメッセージが含まれます。

API.getProfileメソッドを以下のように呼び出します。

API.getProfile { result in
    switch result {
    case .success(let profile):
        print("User ID: \(profile.userID)")
        print("User Display Name: \(profile.displayName)")
        print("User Status Message: \(profile.statusMessage)")
        print("User Icon: \(String(describing: profile.pictureURL))")
    case .failure(let error):
        print(error)
    }
}

API.getProfileメソッドでは、ログイン時の値が取得されますが、ユーザーはLINEに設定した表示名、プロフィールメディア、およびステータスメッセージをいつでも変更できます。ユーザーを識別するには、変更できないuserIDプロパティの値を使用します。

# IDトークンを使ってユーザーを識別する

OpenID Connect (opens new window) 1.0仕様は、OAuth 2.0プロトコル上に付与されるアイデンティティレイヤーです。OpenID Connectを使えば、LINEプラットフォームと安全に情報を交換できます。現在は、OpenID Connect仕様に準拠するIDトークンを発行する方式で、LINEプラットフォームからユーザープロフィールとメールアドレスを取得できます。

# メールアドレス取得権限を申請する

LINEログインを使ってログインするユーザーに、メールアドレスを取得する権限をアプリに付与するよう要求できます。これを行うには、LINE Developersコンソールで権限を申請します。詳しくは、『LINEログインドキュメント』の「メールアドレス取得権限を申請する」を参照してください。

# OpenIDとメールアドレスのスコープを指定したログイン

メールアドレス取得権限を付加したチャネルでは、以下のように、.openIDスコープと.emailスコープを指定してユーザーにログインさせ、IDトークンからユーザーのメールアドレスを取得できます。

LoginManager.shared.login(permissions: [.openID, .email], in: self) {
    result in
    switch result {
    case .success(let loginResult):
        if let email = loginResult.accessToken.IDToken?.payload.email {
            print("User Email: \(email)")
        }
    case .failure(let error):
        print(error)
    }
}

IDトークンは署名付きのJSONウェブトークン (opens new window)です。不正なデータを防ぐため、LINE SDKによってIDトークンの署名と有効期限が検証されます。

# IDトークンをバックエンドサーバーで利用する

ユーザーのなりすまし

アプリからバックエンドサーバーに送信されたユーザーIDなどの情報を、信用しないでください。悪意のあるクライアントは、任意のユーザーになりすますために、任意のユーザーIDや不正な情報をバックエンドサーバーに送信できます。

ユーザーIDなどの情報を送信する代わりに、生のIDトークンを送信してください。LINEプラットフォームが提供するAPIでIDトークンを検証すると、バックエンドサーバーでユーザーIDなどの情報を取得できます。

# 生のIDトークンを送信する

.openID権限を指定してLINEログインする場合は、IDTokenNonceパラメータに任意の値を指定できます:

var parameters = LoginManager.Parameters()
parameters.IDTokenNonce = "<a randomly-generated string>"
LoginManager.shared.login(permissions: [.profile, .openID], parameters: parameters) {
    result in
    // ...
}

IDTokenNonceを省略した場合は、LINE SDKによって自動的に値が指定されますが、ランダムに生成したnonceIDTokenNonceに指定することをお勧めします。ここで指定したnonceは、LINEログインAPIを使用してIDトークンを検証するときに使用します。nonceを利用してIDトークンを検証することは、リプレイアタック (opens new window)の防止に役に立ちます。

.openID権限を指定したLINEログインに成功すると、以下のコードで、IDトークンの元になった生のIDトークンを取得できます。

LoginManager.shared.login(permissions: [.profile, .openID], parameters: parameters) {
    result in
    switch result {
    case .success(let loginResult):
        if let idToken = loginResult.accessToken.IDTokenRaw {
            // Send `idToken` to your server.
        } else {
            // Something went wrong. You should fail the login.
        }

    case .failure(let error):
        print(error)

IDトークンを検証するために、このコードで取得したidTokenをバックエンドサーバーに送信してください。

# バックエンドサーバーでIDトークンを検証する

バックエンドサーバーで生のIDトークンを受信したら、受信したIDトークンと対応するnonceを、LINEプラットフォームが提供するIDトークン検証用のエンドポイントに送信して検証してください。IDトークンが有効な場合は、IDトークンクレームを含むJSON形式のオブジェクトが返されます。

バックエンドサーバーで利用するAPIについては、以下を参照してください。

# ユーザーデータを慎重に扱う

ユーザーの機密情報をプレーンテキストでアプリやサーバーに保存したり、セキュリティで保護されていないHTTP通信で転送したりしないでください。アクセストークン、ユーザーID、ユーザー名など、IDトークンに含まれるデータは機密情報に該当します。LINE SDKではユーザーのアクセストークンが保存されます。必要に応じて、認可後に以下のコードでアクセストークンを取得できます。

if let token = AccessTokenStore.shared.current {
    print(token.value)
}

IDトークンはログイン時にのみ発行されます。IDトークンを更新するには、ユーザーに再ログインさせる必要があります。ただし、ログインリクエストに.profileスコープを指定する場合は、API.getProfileメソッドを呼び出してユーザーのプロフィール情報を取得できます。

# ユーザーをログアウトする

アプリからユーザーをログアウトさせることができます。より良いユーザー体験のために、ユーザーがアプリからログアウトする手段を提供することをお勧めします。

アクセストークンを無効化してユーザーをアプリからログアウトするには、logoutメソッドを呼び出します。アクセストークンを無効にすると、ユーザーはアプリからログアウトされます。ログアウトした後に再度ログインするには、ユーザーは再度ログインプロセスを行う必要があります。

LoginManager.shared.logout { result in
    switch result {
    case .success:
        print("Logout from LINE")
    case .failure(let error):
        print(error)
    }
}