インプレッションを計測する

Messaging APIの統計情報には、ユーザーのさまざまな操作についての情報が含まれます。このページではその中からインプレッションについて解説します。

集計の対象となる環境

インプレッションを含む統計情報は、iOS版およびAndroid版のLINEアプリを対象に集計されます。

PC版LINEやChrome版LINEでメッセージを確認しても、統計情報に集計されません。

統計情報を取得するエンドポイント

送信したメッセージに対してユーザーがどのように操作したかについて、以下のエンドポイントで統計情報を取得できます。

インプレッションとは

Messaging APIにおけるインプレッションとは、LINE公式アカウントから送信されたメッセージを、ユーザーがトークルームに入室して確認したことを指します。インプレッションは、メッセージの開封と表現される場合もあります。

インプレッションの種類

インプレッションには、ユニークインプレッションとインプレッションの2種類があります。本ドキュメントで説明するインプレッションの計測ロジックは、どちらにも共通して適用されます。ただし、計測される回数には違いがあるので、注意が必要です。

統計情報を取得するエンドポイントで取得できるインプレッションは以下のとおりです。

プロパティインプレッションの種類説明
overview.uniqueImpression ※1ユニークインプレッションメッセージを開封した人数。少なくとも1つの吹き出しを表示した人数です。
1つのメッセージにつき、1ユーザーあたり1回のみ計測されます。
messages[].uniqueImpression ※2ユニークインプレッション吹き出しを表示した人数。
1つの吹き出しにつき、1ユーザーあたり1回のみ計測されます。
messages[].impression ※1インプレッション吹き出しが表示された回数。
条件を満たしていれば、1つの吹き出しにつき、1ユーザーあたり複数回計測されることがあります。

※1 ユーザーの操作に基づく統計情報を取得するおよびユニットごとの統計情報を取得するエンドポイントのレスポンスにおいて、インプレッションの値が含まれるプロパティ

※2 ユニットごとの統計情報を取得するエンドポイントのレスポンスにおいて、インプレッションの値が含まれるプロパティ

メッセージと吹き出しの概念

メッセージは、1つまたは複数のメッセージオブジェクトで構成されます。メッセージオブジェクトは、1回のリクエストで最大5つまで送信できます。

Messaging APIにおける吹き出しとは、1つのメッセージオブジェクトを指します。メッセージオブジェクトにはスタンプメッセージオブジェクトや画像メッセージオブジェクトなども含まれ、見た目が吹き出しの形状をしているかどうかは関係ありません。

下の図は3つの吹き出しで構成されるメッセージの例です。吹き出し2と3は、吹き出し1のテキストメッセージオブジェクトのような吹き出しの形状をしていませんが、それぞれ吹き出しとしてインプレッションの計測に利用されます。

このメッセージを送信した場合、ユーザーがトークルームに入室してメッセージを確認すると、1つの吹き出しが表示された段階でoverview.uniqueImpressionが計測されます。messages[].uniqueImpressionmessages[].impressionは、吹き出しごとに個別で計測されます。

詳しくは、『Messaging APIリファレンス』の「ユーザーの操作に基づく統計情報を取得する」および「ユニットごとの統計情報を取得する」を参照してください。

インプレッションとして計測されない操作

インプレッションとして計測されるのは、LINE公式アカウントから送信されたメッセージを、ユーザーがトークルームに入室して確認した場合のみです。

一方で、以下のような操作を行い、トークルームに入室せずにメッセージを既読にした場合は、インプレッションには計測されません。

OS操作
Android
  • トークリストで既読にしたいトークルームを長押しし、表示されるメニューから[既読にする]を選択して一括で既読にする。
  • トークリスト上部のオプションメニューから[すべて既読にする]を選択して一括で既読にする。
iOS
  • トークリストで既読にしたいトークルームを左スワイプし、表示されるメニューから[既読]を選択して一括で既読にする。
  • トークリスト上部のハンバーガーメニューからトークリスト編集画面を開き、トークルームを選択して[既読]を押し、一括で既読にする。

インプレッションの計測ロジック

このセクションでは、インプレッションの具体的な計測ロジックについて説明します。

メッセージの吹き出しを100%表示する

インプレッションは、LINE公式アカウントから送信されたメッセージを、ユーザーがトークルームに入室して確認した場合に計測されます。その際、メッセージの吹き出しが100%表示される必要があります。

以下に、吹き出しが100%表示されている例と、そうでない例を示します。

説明画像
このエリアの吹き出しは、100%表示されていることを示します。green
このエリアの吹き出しは、100%は表示されていないことを示します。red
表示説明画像
✅️ 100%表示されている緑色の部分に表示されている吹き出しは、100%表示されているため、インプレッションとして計測されます。吹き出し全体が表示されている
❌️ 100%表示されていない赤色の部分に表示されている吹き出しは、リッチメニューと重なり、100%表示されていないため、インプレッションとして計測されません。リッチメニューと重なったため吹き出し全体が表示されていない
❌️ 100%表示されていない赤色の部分に表示されている吹き出しは、サービスメニューバーと重なり、100%表示されていないため、インプレッションとして計測されません。サービスメニューバーと重なったため吹き出し全体が表示されていない
❌️ 100%表示されていない赤色の部分に表示されている吹き出しは、縦長であるためトーク画面に収まらず、100%表示されていないため、インプレッションとして計測されません。メッセージが縦長過ぎて吹き出し全体が表示されていない
吹き出し全体を一度に表示できない場合のインプレッション計測

「100%表示される」とは、トークルームから退出するまでの間に、計測対象となる吹き出しの上端と下端の両方が、ユーザーのトークルーム内で表示されることを指します。

上記の例のように全体を一度に表示できない場合でも、ユーザーがスクロールしたり、リッチメニューを閉じたりなどして、隠れている吹き出しの上端と下端を表示すると100%表示されたとみなされ、インプレッションとして計測されます。

スクロールによる重複計測は行われない

一度インプレッションが計測されると、ユーザーがトークルームから退出するまでは、同じメッセージを再度スクロールして表示しても、複数回計測されることはありません。

ただし、ユーザーがいったんトークリストに戻り、再度トークルームに入室してメッセージを100%表示した場合は、新たにインプレッションとして計測されます。

なお、ユニークインプレッションは1ユーザーあたり1回のみ計測されるため、ユーザーがトークルームに再入室しても増加しません。

カルーセルを使用したメッセージについて

Flex Messageなどを利用し、カルーセルを使用したメッセージを送信した場合、カルーセル部分を横にスクロールして表示しても、インプレッションが複数回計測されることはありません。

カルーセルを使用したメッセージでは、吹き出しの上端、下端、左端、右端のすべてが表示されると100%表示されたとみなされ、1回のインプレッションとして計測されます。

利用上の注意点

インプレッションの計測を行う際には、以下の点に注意してください。

計測期間内であることを確認する

インプレッションを含め、統計情報は、メッセージの送信時刻から14日間(1,209,600秒間)のみ集計されます。それ以降は更新されません。 ユニットごとの統計情報を取得するエンドポイントを利用する場合は、集計対象期間を指定できるため、指定した日付が集計期間内であることを確認してください。

メッセージが縦長になりすぎないようにする

極端に縦長のメッセージを送信すると、トークルーム内でメッセージ全体が表示されず、期待どおりにインプレッションが計測されないことがあります。メッセージは適切な長さに調整してください。

リッチメニューやサービスメニューバーに干渉しないようにする

LINE公式アカウントにリッチメニューを設定していると、トークルーム内で吹き出しと重なって表示される場合があり、吹き出し全体が表示できなくなることがあります。その結果、期待どおりにインプレッションが計測されないことがあります。

また、トークルーム上部に表示されるサービスメニューバーを使用している場合も、同様の干渉が発生する場合があります。

メッセージの長さやリッチメニューのサイズを調整し、干渉が起きないようにしてください。